初めての海外旅行⑤
全てが新鮮で戸惑うことばかりの中で一番困ったのは食事。
それまでは基本的に和食中心で洋食はファミレスぐらい。
まだイタ飯など流行る前で、パスタと云えばミートとナポリタンぐらいしか知らなかったのに、最初に訪れたのはイタリア。
当時のイタリアの為替レートは10倍ぐらい。1000円が10000リラぐらいで金銭感覚が完全に麻痺。
二週間の長旅なのでキャッシュが無くなったら大変と、最初に食べたのはレストランと言うよりは大衆食堂。
当然メニューなど解るはずも無いけど、メニューの一番隅に「ライス」の綴。
ライスの綴の前に色々書いてるけど、取り敢えず米なら食えるはずと注文したら出てきたのは、真っ赤なスープのごった煮?らしきもの。
当然リゾットなど知るわけもなく、毒々しい真っ赤なスープに浮かぶ米と独特の強い臭いに思わず吐き気が!
二人で固まっていると、店員が何やら話しかけてくる。
当然意味はわからないので適当に返事をすると、向かいのD君の皿の上から粉チーズをかけだした((((;゚Д゚)))))))
またこのチーズの臭いも強烈で呆然としていると、店員はサービス過剰にふりかける。
D君の皿は真っ赤なスープが完全に隠れるようにチーズの山がこんもりと。
それを見た私は思わず皿を手で覆い難を逃れたのでだけど
それでも目の前のチーズの臭いに食欲を奪われほとんど残す破目に。
D君の方はというと、一口食べただけでトイレに駆け込む始末。
この最初の経験がトラウマとなり
その後しばらくトマトソースとチーズに吐き気を催す程なのに
その後も一か八かで注文すると不思議なほどにトマトソースかチーズばかり当たる。
結局イタリアで過ごした三日間でまともに口にしたのは、ホテルの朝食のパンぐらいという有様(T_T)
もう一つ、イタリアでよく口にしたのはエスプレッソ。
イタリアで驚いたのは自動販売機が全く無いこと。
勿論コンビニなども無くペットボトルもまだない頃。
喉が渇くとどこかのカフェに入るしかなかったころのだが、
そこで一番安かったのがエスプレッソで当時一杯50円ぐらい。
デミタスカップで直ぐに飲めるので一日10杯ぐらい飲んでたように思う。
(おかげで今でもエスプレッソを愛飲しています。)
そんなこんなで、イタリア三日目の夜、
明日はイギリスに移動ということで、財布の中を確認すると、
残金が二人で120,000リラほど
これって日本円に換算すると、12000円ぐらい。
確かイタリアに入国したとき二人で10000円ずつ出して両替したので、
えっ、三日間で8000円しか使ってないじゃん!
ポンペイへの電車代はカードで支払ったとはいえ何と言う節約旅行!
もう少し、贅沢したらまともな物が食えたのではと思っても後の祭り。
色々悔いの残るイタリアだった。